『ボクら星屑のダンス』の聖地巡礼!
浜松市が舞台のミステリー小説を追体験

  • posted.2017/01/14
  • 小枝チカ
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『ボクら星屑のダンス』の聖地巡礼! 浜松市が舞台のミステリー小説を追体験

第15回「このミステリーがすごい!」大賞が決定しましたね! ライターの小枝です。

大賞を受賞した岩木一麻さん『がん消滅の罠 完全寛解の謎 (旧題:救済のネオプラズム)』。不治の病であるはずの癌が、保険金を受け取った直後に治ってしまうという不可解な謎に、医師と研究者が挑む本格医療ミステリーとのことです。1月12日(木)に発売されたばかりの新刊なので、早く読んでみたい!

・・・ところで、「ミステリー小説ってなんだか難しそう」というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか?

そんなmiteco読者のみなさんにオススメの一冊があります。それは私の地元、浜松を舞台にした『ボクら星屑のダンス』です!

ボクら星屑のダンスってどんな小説?

『ボクら星屑のダンス』は、2010年に「横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞」を受賞、2011年にはテレビドラマ化もされた作品です。

天才的な頭脳を持つヒカリは、特別な出生を持つ子供。国立最先端科学センターから逃げ出し、浜名湖に入水しようとしていたところ、同じく入水を図ろうとしていた主人公に出会います。

「政府と警察に追われている」と聞かされた主人公は、半信半疑ながらもヒカリをかばうように逃亡。そのうちふたりは追われている立場を利用し、政府と警察に100億円の身代金を要求します。

魅力的なキャラクター、警察や追手からの逃避行、予想外のストーリー展開――。ミステリー小説に分類されていますが、難しい専門用語はほとんどなく、スラスラとテンポよく読めます。しかし、私がオススメするポイントはその内容だけではありません。

『ボクら星屑のダンス』の主な舞台が浜松という点です。

ページをめくりながら「いまヒカリたちはあそこにいるんだなぁ」と想像しながら読むとめちゃくちゃ楽しいです。まるで自分も登場人物のひとりになった気分になれます。

では、実際にヒカリたちが足を運んだ場所を巡ってみましょう。

主人公と天才児、浜名湖で出会う

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物語の冒頭、天才児・ヒカリとさえない中年の主人公・浅井久平は、浜名湖で出会います。浜名湖は一番深い場所で水深約16m、風が強い日だと波も高い湖です。

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こういう感じの浅瀬から入ろうとしたのかな。

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こんなに綺麗な場所なのに・・・。

ちなみに浜名湖の水はものすごく冷たかったので、やっぱり久平もヒカリも入水はやめておいて正解です。

さて、今度は浜名湖にあるガーデンパークに移動します。ガーデンパークは、ヒカリを語るうえで欠かせない場所です。

ヒカリの思い出の場所「浜名湖ガーデンパーク」

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ヒカリが住んでいたのは、浜名湖ガーデンパークのすぐ近くにある「最先端科学センター」という架空の場所です。浜松にお住まいの人はご存じかと思いますが、浜名湖ガーデンパークは実在します。

県内で7番目にできた都市公園で、四季を通して自然を体験することができる広大な施設。最先端科学センターから逃げ出す前のヒカリは、お世話係の女性と一緒に園内をサイクリングするのが日課でした。

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家族で乗れるかわいい乗り物もありますが、ひねくれてる性格のヒカリはこれには乗らないだろうな・・・。

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取材時期は冬でしたが、綺麗な花がたくさん咲いていました。

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浜名湖ガーデンパークの周りは企業や空き地、自然が多く、「最先端科学センターはあのあたりかな」と想像するのも楽しいです。

ふたりの待ち合わせ場所「浜松城」

警察や追手から逃れるため、ふたりは逃亡を続けます。そんななかヒカリは「もし久平と離ればなれになってしまったら」と危惧。

そこで久平は「もし離ればなれになったら、周辺の一番高い場所で待ち合わせをしよう」と提案します。ナイスアイデアです!

物語の中盤で、ヒカリの危惧どおり離ればなれになってしまいますが、久平はヒカリと交わした約束を思い出し、近くで一番高い場所に向かいます。

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そこがここ、浜松城です。たしかに街中で一番高い場所にあります。

浜松の観光名所のひとつでもある浜松城は、歴代城主の多くが江戸幕府の重役になったことから「出世城」とも呼ばれており、かの有名な徳川家康も在城していました。

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ヒカリはこの高い場所で、久平を待ちます。

浜松で繰り広げられるヒカリと主人公の物語

その後、追手を巻いたふたりは、多額の身代金を意外な方法で要求します。大量の身代金を予想外の方法で手に入れたり運搬したり・・・。「どうなっちゃうの!?」と最後まで目が離せない展開です。

事件は浜松で起こり、浜松で終焉を迎えます。具体的な地名が出ると、物語を追体験できておもしろさも倍増です。それが地元であればなおのこと。

ミステリー小説というと、人が死んでしまったりバットエンドになる作品も多いですが、『ボクら星屑のダンス』はみんなが幸せになるハッピーエンドなので、安心して読めます。

「このミス」が話題で、ミステリーを読んでみたいと思ったあなた。まずは、地元を舞台にした作品からだと読みやすいはずです。『ボクら星屑のダンス』をきっかけに、ミステリー小説を読んでみてはいかがでしょうか!