天城の八丁池へ【miteco登山部】
昭和天皇も歩かれた美しいブナ林をゆく

  • posted.2017/06/25
  • Takashi
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天城の八丁池へ【miteco登山部】 昭和天皇も歩かれた美しいブナ林をゆく

新たな連載が始まりました! テーマはずばり、登山!  miteco編集部および私を含めたライターで構成した計5名のメンバーで、県内にある山々に登り、その魅力を伝えていきます!  その名も「miteco登山部

とはいえ、登山に関してはメンバーのほとんどが初心者同然。そのため当面は、標高1000m前後の低山を中心に紹介していきます。山に興味のある人、これから登山に慣れ親しんでいきたい人向けの連載です。

さっそく、その第1談ですが、私が登ってきたのは日本百名山のひとつ、天城山の西陵部

amagisan_1天城山西陵部の登山道ではブナ、ヒメシャラを観察できる。

天城山は伊豆半島の中央部に広がっている。

ここには「八丁池」というハイカー憩いの場があります。湖と断層の切れ目に水が溜まってできた池で、天城の瞳とも呼ばれているのだとか。いわゆる山頂ではないのですが、まずは標高1173m地点にあるその池を目指してみました。初心者の筆者にとっては、少々難易度高めの登山レポートです。

※miteco登山部:編集長吉松、編集部山口、編集部安藤、mitecoライターemikoko、mitecoライターTakashi(計5名)。

※天城山の西陵部:天城山は遠笠山と万二郎岳、伊豆最高峰の万三郎岳からなる連山の総称。八丁池はその山稜部にある。

ジブリの世界を思わせるブナの森と「御幸歩道」

いくつかある八丁池への登山道のうち、選んだのは伊豆市側から御幸歩道を通るルート。なんでも1930(昭和5)年に昭和天皇が八丁池を目指し、この登山道を歩かれたのだとか

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「水生地下駐車場」に自家用車を停めスタート。わさびの聖地・天城を育む清流のせせらぎが耳に心地いい。砂利道から舗装された道に出る際、自家用車通り抜け禁止のゲートが。

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これをくぐり、舗装された道をしばらく歩くと、いよいよ登山道らしくなってきます。

amagisan_4ここから道が少々険しくなる。

せせらぎはもう耳に届かず、そのかわりウグイスのさえずりが、季節をたたえるかのように響いていました。さらには、新緑の葉を揺らす美しいブナ林。

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まるでジブリを思わせる世界が広がっています。天城といえばブナ、といわれる所以を全身で体感。夢中でシャッターを切りました。

※八丁池への登山道のうち:ほかに河津町側からのルートや、八丁池口までバスを使う方法もある。

※天城といえばブナ、といわれる所以:一帯に広がるブナの森は「八丁池ブナ群落遺伝資源保存林」として守られている。

うっかりミスにご注意! 見晴台へ行くのを忘れずに

水生地下駐車場からの総距離に対して2/3くらいのところで、疲れもピーク気味。

amagisan_6登山道途中にある東屋。

登山の場合、休憩をとる際には「座らないほうがいい」というのを聞いたことがあります。これまでの道中で、立ったままの休憩は十分に効果があることを実感していましたが、ここで心が折れた次第。ああ、栄養ドリンクでも持ってくるんだった。

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途中、野生の鹿が親子で現れたりはしたものの、登山道や案内看板がしっかりあるので迷うこともなく、これといった危険もありませんでした。次第に周囲の景色が変わり、ゴールが近いことを感じると、疲れも気にならなくなってきます。徐々に歩くペースも早まる私。

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こまめに立ち休憩や撮影をしながら登り、スタート地点から約2時間40分、やっと到着です。「天城の瞳」と呼ばれる八丁池

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ほかのハイカーも、ここで食事や昼寝をしてくつろいでいます。耳に届くのはウグイスのさえずりだけ……。池の畔でしばし時間を忘れて過ごしました。

amagisan_10湯を沸かしてカップラーメンを食べるハイカーも。

ああ、気持ちいいなあ。なにもかも忘れよう。もう仕事なんてやってらんないや。

……そして本当に大切な仕事を忘れていたのを「下山してから」、気付くことになりました。「やばい。展望台に行ってない」。

じつは畔から少し南側へ歩いたところに、池を俯瞰できる見晴台があるのです。なんということだ、とんでもないミスをやらかしてしまった。

……もう1度登るしかない。そう考えていた矢先、天城を何度も踏破しているという、行きつけの喫茶店のマスターから救いの手が! 見晴台からの写真をお借りすることができました。こちら。

amagisan_11八丁池見晴台より秋ごろの眺め。

この景色を見ずに下山とは。ちなみに「とある喫茶店のマスター」とは、mitecoでも紹介しているこの人でした。

私が撮影した何枚かのブナを見て、およそどのあたりか見当がつくのだそう……。相当登ってこられたようです。

ともあれ、マヌケなもの忘れにより登山の達成感を損なうことのないよう、ご注意ください……。

八丁池ハイクのまとめ

八丁池ハイクのアクセスや往復時間、アドバイスに関して以下にまとめました。余力が残っていたらぜひ見てほしいのが、心霊スポットとしても知られる「旧天城トンネル」。

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このほか、過去にmitecoで取りあげた道の駅もあるので、ぜひチェックしてみてください。

  • ライター登山日

2017年5月22日

  • アクセス

新東名長泉沼津ICから伊豆縦貫道、伊豆中央道、修善寺道路を経由して「水生地下駐車場」まで約1時間(車)/ 伊豆箱根鉄道修善寺駅または伊豆急行線河津駅より専用路線バス乗車、八丁池口バス停下車(公共交通機関)

  • 往復時間目安(昼休憩などをのぞく)

約4時間30分

  • アドバイス

登山道途中に水場はないので、必ず水分の用意を。トイレは八丁池の畔にあります。バスは平日運休で本数も少ないので、時刻表をよく確認しましょう。冬場は凍結するので熟練者でない限り、単独での登山はオススメできません。

  • 寄り道スポット

・道の駅 天城越え:mitecoでの掲載歴あり。修善寺駅と八丁池口を結ぶ専用路線バスのバス停(昭和の森開館前)もあり。

・旧天城トンネル:現存する最長の石造道路トンネル。国の重要文化財

  • 参考サイト

伊豆市観光情報

東海バス 専用路線バス

八丁池

住所:〒410-3206 静岡県伊豆市湯ケ島