魅力的なあの人 vol.3
クラシックを開拓する23歳のオペラ歌手

  • posted.2017/04/11
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魅力的なあの人 vol.3 クラシックを開拓する23歳のオペラ歌手

日常生活のなかで魅力的な人に出会うときがありますよね。ひと目惚れのときもあれば、だんだんと惹かれていくこともあります。

そんなときに私は「知りたい。話したい。でも、そんなにグイグイと聞いたら気持ち悪いかな・・・」と考えてしまいます。

そんな気持ちから生まれたのが、「魅力的なあの人」というシリーズ企画です。

第3回目は素晴らしいバリトンボイスの持ち主

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魅力的なあの人とは、私が魅力を感じた人に「いまなにをしているの?」「なにを考えているの?」などとグイグイお話しを聞き、その人の奥にひそむ魅力の元を探していくという企画です。

第3回目のあの人は、富士市出身在住の現役オペラ歌手(バリトン大村真敬さん。

※バリトン:男声のバスとテノールの中間の声域。

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大村真敬

静岡県富士市出身。1994年生まれの23歳。東京藝術大学声楽科卒業。第31回静岡学生音楽コンクール高校生の部第1位。第21回日本クラッシック音楽コンクール声楽部門高校男子の部第5位などの経歴の持ち主。

大村さんは私の兄の同級生。兄に「友達が歌うから花も来る?」と言われ、3年前にはじめてクラッシックのコンサートに足を運びました。

そこで大村さんがオペラ歌手として舞台に立っており、その歌声に魅了されたんです。それからコンサートがある際には必ず聴きに行くようになりました。

え? すでに魅力の元は声だと分かっているじゃないかって?

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ちっちっちっ。私は大村さんからほかにも惹かれるなにかを感じました。※いやらしい顔をしていますがクラッシックのことは無知です

今回は「なにか=魅力の元」を探すために、まず彼がどのようか人なのか知りたいと思い、学生時代からなぜオペラ歌手という道を選んだのかなどを聞いてみました。

オペラだけを聴いていた学生時代

いや、待てよ。あの舞台で歌っていた人にインタビュー? ・・・きっと緊張して天気の話しかできません。

私の安心できる場所なら、少しは緊張がほぐれるかもしれない!

anohito03_03自分の家のこたつは落ち着きます。

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自宅まで来ていただきありがとうございます。本日はよろしくお願いします。
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大村

いえいえ、お邪魔します。こちらこそよろしくお願いします。
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私、大村さんのコンサートに行くまでは、クラッシックを聴く機会もありませんし、バリトンというものも知りませんでした。
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大村

多くの人が知らないと思います。クラシックに興味のある若い人は少ないだろうしね、ましてや声楽なんて・・・。
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(笑)確かに声楽をやっている人は私の周りにいません。声楽を始めたきっかけはなんだったのですか?
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大村

小学生のとき、修学旅行でライオンキングのミュージカルをみて、衝撃を受けて。「いつかこういうことやりたいな~。でも僕はミュージカルっぽくないな」って・・・。

 

そんでそのあとに中学1年の音楽の授業の鑑賞で、ヴェルディという作曲家の「アイーダ」というオペラをきいて感動したんです。「僕もやりたい・・・」と思いました。それからオペラばかり聴いていました。

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ほかの音楽は聞かなかったのですか? BUMP OF CHICKENとか。
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大村

当時はオペラだけでしたね。中学のころの僕はひどかったです。休み時間はノートにオペラの一場面を書いてました。いま思えばなにやってたんだろうって・・・。

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サブカルとも中二病とも言えない、偏ってますね(笑)
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大村

うん、周りからは「なんだこいつは・・・」って感じだったかも。
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共有できる友達はいましたか?
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大村

いるわけないでしょ~(笑)それに、中学の音楽の授業を真面目に受ける人は少ないと思います。
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確かにほかの授業よりは気が抜けますね。ピアノの音はよく眠れます。
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大村

そうそう。いたらいたで、その中学生は排他的になってますよ。そもそもクラッシックは少し敷居が高くみられるので・・・。
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高いです。
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大村

聴いてる人も限られますよね。それでそのまま偏った中学生時代を送り、中学3年生で声楽をやろうと決意し勉強して、芸術科のある清水南高校を受験しました。
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なるほど、きっかけはライオンキング、後押ししたのが音楽の授業だったのですね。
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大村

そうですね。しかし高校に入り、声楽科に男が僕しかいなかったので最初は天狗になっていました。コンクールに出て、その鼻はすぐにボキボキと折れましたが(笑)
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上には上がいると・・・。挫折はしなかったのですか?
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大村

はい、上だらけでした。うーん。周りを見るたびに焦りましたが、僕にはオペラしかないと思っていたので(笑)

クラッシック以外の意外な趣味を発見!

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あ、あの、少し気になったのですがプロレスがお好きなのですか? 前回のコンサートのプロフィールに・・・。

anohito03_05座右の銘がプロレスラーの名言。

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大村

あ~、好きです。プロレスって強いとか勝ち負けだけじゃないところに惹かれるんです。表現力や演技力もないと面白くないから、勉強にもなるなって思っています。って、プロレスの話はいいですよ!(笑)

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すみません、個人的に気になってしまって(笑)話を戻しますね。現在、音楽の活動はどんなことをやっているのですか?
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大村

まだまだ勉強中ですが、最近だと、大学の同級生と日本の童謡を歌うコンサートを静岡市で行いました。出演した全員が静岡県に関わりがあるので、静岡の曲(富士山、茶摘みなど)を中心にプログラムを組んだんです。

anohito03_07こちらがそのコンサートのチラシ。

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大村

あとは新しいことだと、朗読劇に出させていただきました。舞台に立ってなにかをやることが好きなんです。
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おぉ~! 朗読劇ですか。私は大村さんが歌っているときの表現が好きです。足の動きや目の動きが楽しくて少し演劇みたい。
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大村

あれ、そんなに動いていましたか・・・。意識していなかったです。オペラもストーリーがあり、詩があるのでセリフのように感じます。だから演じているというか、入り込んでいるかな。それに、そうしないと僕は舞台に立っていられない(笑)役に入りきらないとお客さんが怖いです。人見知りですし。
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なりきるのですね、すごい・・・。
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大村

いやぁでも、僕みたいなタイプは人によって嫌われます
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え? なぜですか?
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大村

真面目に歌だけを聴きたい人は「歌を聴かせろ!」って思うかと。しかし僕は技術で聴かせられる人じゃないので演劇で補ってます・・・。
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なに言ってるんですか~。
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大村

いやぁ、上をみてしまうと・・・。自分の声好きじゃないですもん。コンクールに出るたびに心が折れそうになりますよ。それに、声楽をやっていて自身の声に満足する人は少ないと思います。満足したら終わりかな(笑)

これからは演奏会+α=???

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最後に今後やっていきたいことを教えてもらえますか?
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大村

勉強して、オペラの舞台にたくさん出演することはもちろんですが、目標はリサイタルを開くことです。あと、音楽朗読劇みたいなものもやってみたいです。「演奏会+演劇の要素」という感じかな。

 

オペラのストーリーも分かりやすくなりますし、クラシックがもっと楽しいものですよって伝えられたらいいなと・・・。そういうのもあって前回、日本の童謡を歌うクラシックコンサートを企画したってのもあります。

 

※リサイタル:独唱会。独奏会。メインとなる演奏家がひとりで行う。

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確かに聴きやすかったし、知っている曲なので楽しかったです!
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大村

ありがとうございます。日本の歌を歌うというのはほかのコンサートでもありますが、少しジャズ調にしたりメドレーにして新しいものを取り入れたりしました。

 

これも「クラシックへの敷居をなくしたい」と思う気持ちです。僕はどんどん新しいことを開拓していきたいし、受け入れてもらえたらいいなぁと思っています。

取材を終えて・・・

大村さんはオペラを大切にしつつ新しいものを取り入れているから、私のようなクラッシックがよく分からない人も楽しむことができるのかと思います。

そして、中学生から現在にいたるまで「好きなものを好きであり続ける、ぶれない強さ」が、彼の魅力の元となっているのでは、と私は感じました。

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さていつのまにか、すっかり和やかな空気になりました。最初はあれだけ緊張していた私も、最後にはボードゲームで一緒に遊ぶことに・・・。※左にいるのは兄です。

取材前はオペラ歌手という肩書きを持つ大村さんを近寄りがたく感じていましたが、彼のほうから歩み寄ってくれたような気がしました。

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