浜松発!国際協力のプロを目指す学生有志団体
「SUAC For People」現地訪問直後の心境を取材

  • posted.2017/04/23
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浜松発!国際協力のプロを目指す学生有志団体 「SUAC For People」現地訪問直後の心境を取材

2016年12月、静岡文化芸術大学の国際協力に高い関心を持つ学生たちが、国際協力のプロを目指し立ち上げた団体「SUAC For People」がスタート

活動の一環として、支援先訪問を目的に2017年3月20日~31日まで、バングラデシュへ足を運んだとの情報をキャッチしました。

バングラデシュ現地訪問から帰国したばかりのSUAC For People代表、佐藤安奈さんにお話しを伺ってみます。

「SUAC For People」はどんな活動を?

suac for people_06静岡文化芸術大学国際文化学科4年生 佐藤安奈さん

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オオイシ

おかえりなさい! バングラデシュはどうでしたか?
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佐藤

無事行ってきました! いまのバングラデシュは夏のような気候で暑かったですよ〜。バングラデシュの大学生とも交流できて貴重な経験ができました。
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オオイシ

わたしもバングラデシュへ行ったことがあるけど、首都の人口密度や色彩鮮やかな様子が印象的だったな。

 

さっそくですが、今回バングラデシュへ行った目的は支援先訪問だったんだよね? まずは、どんな活動をしているのか教えてください。

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佐藤

はい。わたしたちはSUAC For Peopleという、静岡文化芸術大学で国際協力のプロを目指す学生たちによる団体です。
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オオイシ

プロを目指すってどんなことをするんですか?
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佐藤

もともとメンバーたちは、授業とは別に同大学の下澤教授が週1回開催する勉強会に参加して、座学で国際協力について歴史や知識を学んできました。そのなかでさらに国際協力の現場に、より近い実践経験を積みたいと考えはじめたんです。

 

そこでSUAC For Peopleとして0から国際協力に取り組み、やってみないとわからないことを経験したり、いまの自分たちに出来ることをみんなで考えながら活動しています

知ってる? ロヒンギャ難民

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佐藤

国際協力とひと言にいっても、いろんな分野があるんです。たとえば、日本で活動するのか、海外で活動するのか、NGOなのか、より公的な団体なのか。メンバーの関心分野も、当然さまざまです。

 

そうしたなかで話し合いを重ねてテーマを設定し、追究・実践していまして。まずわたしたちは「難民」をテーマに出会った「ロヒンギャ難民」の緊急支援を行うことにしました

ロヒンギャ難民 〜国籍も、住む場所さえ持っていない人々がいる〜

 

あなたは「ロヒンギャ難民」という言葉を聞いたことがありますか? ロヒンギャとはミャンマー・ラカイン州北西部に住むイスラム系少数民族のことです。ミャンマー政府は、ロヒンギャの人々を「不法移民」だとして国籍を与えていません。

 

迫害が続いているミャンマーから難民となり、周辺諸国に大量流入し、日本にも流入しています。日本の群馬県館林市には、約200人のロヒンギャ難民の方々が逃れてきています。

(SUAC For Peopleより)

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オオイシ

最近、シリア難民に関するニュースをよく見かけるね。
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佐藤

そうですね。わたしたちも最初はシリア難民にスポットを当てて、自分たちになにができるか考えたんです。ところが、すでに世界中の多くの団体が支援をしていて、わたしたちにできることを見いだせませんでした。

 

食料支援する団体や、ボートでヨーロッパに渡ってきた人たちの着てきたライフジャケットを難民の象徴として、難民の方のそれまでの人生をライフジャケットに描いて展示するプロジェクトなど、本当にいろんな支援をそれぞれの団体がしている状態です。

 

そんななかで、いままさに支援を必要としている「ロヒンギャ難民」がいることを知って、SUAC For Peopleで支援をしようとなりました。調べた限り、日本で支援する団体はありませんでした

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オオイシ

ロヒンギャ難民、はじめて聞きました。
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佐藤

90年代ごろから国籍も住む場所も認められず難民となったロヒンギャの人々ですが、2016年10月のミャンマー政府との衝突をきっかけに、さらに7万人を越える人々が難民となりました。いまも日々その数は増え続けています。
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オオイシ

7か月間で7万人以上・・・。それはすごい数ですね。
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佐藤

バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプで食料支援を行う、NGO「APCD」の事務所を訪問し現状を伺ったんですが、事態はかなり深刻でした。

suac for people_e写真提供:SUAC For People

バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプで、食料支援を行うNGO「APCD」の事務所を訪問したときの様子。

佐藤さんから難民キャンプの様子を伺ったなかでとくに印象的だったのが、難民としてキャンプにやってきた約7万人のロヒンギャの人々のうち、男性の多くは怪我をし、女性の約8割は暴行による妊娠をしている状態だということでした。

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佐藤

安全な妊娠出産ができる状況とはとても思えませんでした。いまでさえ支援が十分に行き届いていないギリギリの生活を強いられているなかで、これから生まれてくる子供たちの食料なんて・・・。
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オオイシ

言葉が出てこないですね・・・。あー、自分が親になってから子供に関することはとくにショックが大きい・・・。
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佐藤

これは世界中で起きていることのほんの一部でしかないんです。でも、小さな活動でも、ひとりでも多くの人にこの問題を伝えることはできるし、そうしたことの積み重ねが現状を変えるひとつの種になるのではないか、という思いで今回のロヒンギャ難民支援に取り組んでいます。

ロヒンギャ難民の「叫び」とは

suac for people_02写真提供:SUAC For People

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オオイシ

SUAC For Peopleでは、ロヒンギャの人々のためにどのような支援や活動をしているんですか?
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佐藤

クラウドファンディングでロヒンギャ難民のための緊急食糧支援プロジェクトを立ち上げ、42人の方に支援していただき、計212,000円の支援金を送ることができました

 

3,000円の支援で約7家族分の1日の食料を届けることができます。あとこれまでには2回のドキュメンタリー映画の上映会と、実際に在日ロヒンギャの人々を招いて交流の機会をつくってきました。

 

※慶応大学S.A.L制作『Light up Rohingya』『ひかり』『Stateless』3本のドキュメンタリー映画を上映。

suac for people_03写真提供:SUAC For People

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佐藤

こういう活動をしていると、度々「すごいね」「えらいね」と言われることがあるんですけど・・・。でも、わたしは全然すごいことだとは思っていなくて。

 

わたしたちはなにも知らない状態から、この問題にはじめて出会ってすごくショックを受けて、なにかしたいと思うようになりました。国際協力って難しそうなイメージがあるかもしれないですが、普通の大学生が声をかけることによって、もっと身近に一緒に考えてもらえたらなと思います。

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オオイシ

日本にもロヒンギャの人が暮らしているんですね。もしかしたら同じ地域に暮らしているかもしれない・・・。そう考えたら身近なことですね。
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佐藤

そう、そうなんですよ。日本には約200人のロヒンギャの人が暮らしているようです。映画のなかである日常の風景が映し出されるんですが、普通にご近所付き合いしているんです。まずは「知ること」で身近な存在になるのだと思いました。

わたしたちにできる国際協力は?

suac for people_04写真提供:SUAC For People

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オオイシ

これからはどういう支援をしていくんですか? ロヒンギャ難民のことを知ったわたしたちはどうしたらいいんだろう? なにができるのかな?
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佐藤

ロヒンギャ支援は緊急支援として立ち上げて、4月末に終えることを前提に始まりました。食料支援の基金を立ち上げているので、ぜひご協力いただければありがたいです。※以下に記載。

 

それから、一緒に気持ちの共有をして、一緒に考えていきましょうと伝えたいです。たとえば難民の人たちを受け入れる人たちが増えて、誰もが暮らしやすい地域になっていってくれたら嬉しいと思います。そうした一人ひとりの思いやりやアクションが、最終的にはロヒンギャの人々が難民としてではなく、幸せに暮らしていけるようになることにつながっていくと思います。

 

SUAC For Peopleで実践してみてわかったんですが、国際協力って地道な小さな作業を1個1個と積み上げてきた結果なんだなと思いました。

これからSUAC For Peopleでは、4月27日(木/仮)静岡文化芸術大学にて報告会を開催する予定だといいます。

ロヒンギャ難民問題は現在、緊急支援として関わっていますが、今後も継続を検討中で引き続き国際協力に取り組んでいくのだそうです。

新入生をはじめ関心のある方は、SUAC For Peopleの発信するニュースや企画をぜひチェックしてみてくださいね。

お問い合わせ

Facebookページ:https://www.facebook.com/suacforpeople/

ロヒンギャ難民支援緊急募金

金融機関名:静岡銀行浜松中央支店 (支店番号368)

口座:普通預金(0437428)

口座名義: SUAC For People 会計 下澤嶽

郵便振替口座番号 :00890-9-154095

口座名義 :SUAC For People

アグレッシブな活動を続ける大学生たち

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Writerオオイシマオ

1991年神奈川県横浜市生まれ、静岡県掛川市育ち。一冊のノートとの出会いをきっかけに、19歳でフェアトレード雑貨店を起業。現在はカフェという切り口からフェアトレードやコミュニティトレードに取り組む。2016年3月には一児の母となり育児奮闘中。新米ママライターとしても地域や暮らしを見つめ伝えていく。

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